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没書

没になりそうなシナリオ文章です。
しかし、ただ没にするのももったいなく感じて、ここへ載せます。






|天国?神の間
■文章:@0\n気づいたとき、私は\n眩いばかりに明滅する、白紙の空間にいた。
■文章:@3\nここは......?
■文章:!
■文章:@0\n私の声は、私の声ではなかった。
■文章:いいや――、声だけではない。\nよく確かめれば、\nこの自分の体もまた、見慣れぬ体だった。
■文章:その姿は、アニメやゲームのような画質だった。\n現実のものではない。
■文字列操作:S3[名前表示用] = "?????"
■文章:@1\n気に入ってもらえたっかな、新しい体は?
■文章:@0\n自分以外の姿が見えない この空間に、\n誰かの声が響いた。
▼ ヘリウム神、出現
■文章:@0\nそこに現れたのは、神々しく光り輝き、\nこの真っ白な空間に同化でもしそうな人だった。
■文章:@5\nようこそ! 歓迎するぞ。
■文章:@1\nそちらさんは、いったい......?
■文章:@5\nワシは、・・・、まあ皆からは、\nヘリウム神と呼ばれているな。\n \nお前は気さくにヘリちゃんと読んでくれれば良い。
■文章:@3\n軽~く、浮かび上がりそうな名前だな。

■文章:@4\n本題に入ろう。\nお前を招いたのは、ワシだ。
■文章:お前は違う世界に生きたかったのだろう?
■文章:ワシの管理する世界の一つに、\nペブロイ世界というのがある。\nそこへ、お前を送ろう。
■文章:何か質問はあるか? 答えるぞ。
■文章:@3\nう~んと、質問なんとやら以前に、\nいきなりの展開に、理解が追いつかないのねェ......
■文章:@4\nお前の世界でも、異世界転生モノが流行っていたな。
■文章:@3\nああ、私は、それが好きでねェ。
■文章:@4\nあれは、今このときのための、教科書だ。
■文章:@3\nん? どゆことかな?
■文章:@4\n転生の処理が面倒だといって、\n効率化に熱心なワシの仲間がな、\n流行らした。\nそれが異世界転生ネット小説だ。

ワシの仲間に、効率化熱心な連中がいてな。そいつらが、転生処理の軽減化を図った。それが、異世界転生ストーリーを人の脳裏にばらまくことだった。
おかげで、お前のような者には、手取り足取りの説明は不要になったろう?

そんなわけで、お前に与えるのも、その異世界転生だ。
それを、お前は、望んでいたんだろう?

■文章:@3\nああ、望んでいた。だが、異世界への転生と\nいうより、楽に生きたい、ということに、だ。
■文章:@4\n楽、させて、やるさ。

@3
ちょいと気になったんだけど。
私は、死んで、ここに来たのか?

@4
......そうなるな。お前の元いた世界では、森深くに迷い込んで行方不明、ということになるか。お前の遺体も、虫に食われて、もう跡形もない。

@3
人間一人、虫にやられるもんだな。
そっか、死んだのか。

@4
まぁ、死んだと云っても、元いた世界でのこと。
今より生まれ変わるのだから、もう生きているようなもんだ。

@3
いや......、結構。
私は、もう死んでいて、良いんじゃないかな。

@4
そうなのか?

@3
生前、だいぶ長い間、無になりたいなと思い続けた。
死んだのなら、もう死んだ、でいい。
生き返りたくは、ないなァ。

@4
辛い言葉だな。お前に、そう云わしてしまうのも、
お前は、神の加護もへったくれもない世界を生きたからだ。

@3
神の加護? なんだ。

@4
お前のいた世界に、神はいなかった。
お前たちは、冷たい無機質な構造をした世界の上で、
厳しく生きていたのだ。
それは、ときに、救いがない。

@3
他の世界は違うのか?

@4
世界にもよるが、大抵は、救いの存在がいるし、
そもそも、生き物の作り方からして、おかしいからな。

お前のいた世界の生き物には、苦痛を与えすぎている。
そんな多大な苦しみを感じる構造を、
生き物に組み込むのは、ワシらから見たら異常だ。

@3
んじゃあ、次の世界では、そこまで苦しまずとも
生きれるのかな。

@4
ああ、有意義に生きれるとも。

@3
病はもう嫌だよ。四六時中、謎の痛みに苦しまされ
続けるのは、もう、嫌で、嫌で、......。

@4
回復魔法もあれば、無害な麻酔のような無痛魔法もある。
この「魔法」があるというのも、神の加護がある世界か、
ない世界か、の違いだな。

@3
私のいた世界でも、「魔法」という言葉はあるのに、
「神」という言葉もあるのに、
そのどちらも、存在しないという、
へんてこりんな世界だった。

@4
それは、な。お前のいた世界も、実は、
有史以前には、神がいたのだ。
もう遠い昔のことだが、な。
その名残りだろう。

@3
へー、何で、それから、
いなくなっちゃったんだ神様?

@4
捨てたんだ。

@3
捨てた?

@4
人にもいるだろう、飼ったペットを捨てるヤツが。
神だって、ロクでもないヤツが、いるものさ。

@3
はぁー......

@4
だが、お前たちは凄かった。放置され残された
システムだけで、生き延びてしまった。
神々の世界では、お前たちの世界は、とっくに
滅んだものと、されていたのだ。

@3
そんなに危機的だったのか。

@4
あくまで他の世界と比べれば、な。
その世界しか知らぬ、その世界の住人には、
その世界が普通だと思うものだ。

@3
確かに、ね。
それで、その神々は、私たちを、
助けてはくれないのか?

@4
別世界は、別世界のこと、と考えるからな。
ワシのように、わざわざ別世界の存在を
取り寄せたりする方が、珍しい。

◆イベント分ける。選択肢に分ける。

@3
そうだねえ......。物は試しだ。
その異世界転生、やってみようか。

@4
やってこい、いってこい、きっと楽しいぞ。

@3
そういや、肝心な疑問なんだが、
なぜ私に、そう親切する?
神から見れば、取るに足らない一個人じゃないか?

@4
一言で云やぁ、ワシの趣味だな。
時々、やってるんだ。
気に入った存在を、外界から持ち込む、
ということを、な。

@3
へー。私のどこに、気に入る要素が?

@4
そりゃ、よく分からん。
感覚的にチョイスしているからな。

──────────────────────────────

@4
ワシも最近、地球の異世界転生モノを読んでいるんだが。
主人公はチートがお決まりなのだろ?

@3
必ずしもそうじゃないと思うけどな。

@4
そういうわけで、ワシからもチートを送ろう。

@3
チート、すなわち、ズルい能力、か......

@4
なんだ? ズルいのは嫌いか?

@3
いいや、好きだね。
だいたい、私のいた現代社会は、はなから
不平等だったんだ。
ズルさがモノを云う、弱者には辛い世界だったさ。

@4
んじゃ、チートを考え出してみるか。
まず、アイテムボックスがいるだろ?

@3
多量のガラクタがホイホイ入る箱か?

@4
ま、箱じゃなくてスキル(能力)だがな。
異空間だが異次元だがに放り込むから、いくら入れても、
重くならないし、かさばらない。
その上、内部は時間停止状態で、食料も腐らない。

@3
良いこと尽くめだ。
──────────────────────────────

@4
それがチートというものだ。

アイテムボックスそのものを、
道具じゃなくスキルにしたのも、ポイントだぞ。
アイテムボックスという道具だったら
盗まれるかもしれないからな。

@3
なるほどなぁ。
でもスキルなら、「アイテムボックス」というより、
「異空間魔法」って感じだけども。

@4
いやいや! 魔法じゃない、
って云い張れるのがポイントなんだぞ。
魔法じゃ、封印されるかもしれないじゃないか。

@3
そっか、そうなのか。てことは、
アイテムボックスは、使用不可能になることは、
絶対にないのか?

@4
多分そうじゃないかな。
使用不可能にする方法が思い当たらないからな。

@3
そりゃ安心だな。

@4
そうだろう、そうだろう。
こう見えて、よく考えているんだよ。

あと、そうだ。アイテムボックスには
ほぼ無尽蔵にアイテムを詰め放題だからな、
ワシからの差し入れを大量プレゼントしてやる。

あともう1つ、素敵なチートスキルを
与えて――それくらいかな。
チートスキルを与えすぎても
つまらなんからな、ワシが。

@3
病気しない体にしてくれ。健康が重要だ。

@4
回復力があるからな、それも大丈夫だ。

@3
なら、あとはどうでも良い。

@4
強力な魔法が欲しいとか、ないのか?

@3
欲しいとすれば治療できる魔法だな。

@4
そうか。

──────────────────────────────

@4
準備OKなら、向こうの青い扉を、くぐってくれ。
どうしても無に帰りたいなら、あの黒い扉へ行け。
青い扉へ行く
黒い扉へ行く
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by latbatbow | 2017-04-15 00:00 | 没作品など